1974年の『Starless And Bible Black』は、ギタリストのロバート・フリップ、ベーシスト兼シンガーのジョン・ウェットン、ドラマーのビル・ブラッフォード(それにヴァイオリニストのデヴィッド・クロス)というクリムゾンの主要メンバーが顔をそろえた2枚目のアルバム。前作『Larks’ Tongues in Aspic』の複雑な構造とハードなグルーヴを受け継いでおり、『Lizard』や『In the Wake of Poseidon』のようなメロトロンを多用したサイケデリック・シンフォニーとは一線を画すサウンドだ。
金字塔的なアルバム『Red』を予告していたかのような本作には、「The Great Deceiver」、エキセントリックなバラード「Lament」、戦慄的な演奏が11分間にわたって展開する「Fracture」、壮大なタイトル・トラックなど、クリムゾンの代表曲といえるトラックが並ぶ。アヴァン・ロック調の「Bolero」は、アブストラクトなノイズ・ギター、けたたましいパーカッション、厚みのあるファンク・ベース・ラインによる不協和音の饗宴だ。メロトロンも登場するが、ここでは不調和なハーモニーと不気味なサウンドの爆発を手助けするかたちとなっている。クリムゾン・マニアのマスト・アイテムであり、初心者が最初に聴くべき1枚としてもおすすめだ。(James Rotondi, Amazon.com)